ここ数年で名前を耳にする機会が一気に増えたクラフトビール。「名前は知ってるし飲んだこともあるけど、クラフトビールの定義がわからない」という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
クラフトビールの歴史や種類、選び方などを初心者にもわかりやすく解説していきます!地ビールとの違いってなんだろう?クラフトビールって何種類あるの?
これを読めばクラフトビールの全てがわかります!
クラフトビールとは?定義や歴史を解説
皆さんはクラフトビールと聞いてどんなイメージを持つでしょうか?
各地域様々なものがある、小さな個人事業者が造っているなどなどイメージは人それぞれかと思います。
ここでは改めて「具体的にクラフトビールとは何か」を解説していきます!
クラフトビールの基本情報
日本におけるクラフトビールの定義は、超簡単に言えば「小規模の醸造所で個人が作っているビール」のことです。
日本には昔「ビール事業をやるなら年間最低2000キロリットル作らないとダメ」という法律が存在し、小さな醸造所がビールを販売するのがとても難しい状況でした。しかし1994年に法律が改正され「年間最低60キロリットル」と条件が緩和されたので、そこから多くの個人醸造所によるクラフトビール製造が可能となり、現在へとつながっています。
ちなみに本場アメリカでは定義が明文化されており、「独立していること」や「伝統的であること」という条件もありますが、日本においては社会背景も法的背景も異なるためこの限りではありません。
クラフトビールは地ビールの進化系!
ところで、クラフトビールブームの話題を聞いてこんな疑問を持っている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
「そういえば地ビールも流行ったけど、クラフトビールとどう違うの?」
結論から言えば、地ビールとクラフトビールは同じものです。
正しく言えば「クラフトビールは地ビールの進化系」となります。
このように呼称が分かれた背景には、地ビールでの失敗と反省があります。
地ビールは「観光地のお土産用」という色が濃く、地域を挙げて開発されるイメージです。地域ブランドが強く、どうしても味より経済面が重視されることもあります。そのため地域によってはあまり地ビールが良い評判を得られていない事例もありました。
それに対しクラフトビールは「個々の事業者が美味しさや独自性を求めて丁寧に作る」というイメージがあり、その味にハマる多くのファンも存在します。
つまりクラフトビールは地域ブランドではなく味で勝負し、評判を上げていくスタイルなのですね!
もちろんこだわりの味わいを持つ地ビールもたくさんあるので、クラフトビールブームと同時に地ビールも再燃するかもしれません!
通販でもタップルームでも楽しめる!
もう1つクラフトビールの特徴として通販が充実していることが挙げられます。
お土産色の強い地ビールと異なり、クラフトビールは全国の愛好家から需要があるためオンラインストアを運営する醸造所がとても多いです。
また各地の醸造所には「タップルーム」と呼ばれるビールを飲める施設が併設されていることも多く、特別な空間でクラフトビールの味わいを楽しむこともできます!
クラフトビールって何種類あるの?
そんな大人気のクラフトビールですが、SNSや噂で見聞きするだけでもかなりの種類の銘柄があることがわかると思います。ここでは銘柄ではなく、クラフトビールの種別についてまとめ、どの種類にどんな特徴があるのかを知っていきましょう!
世界中のビールは2種に大別できる
まず、世界中全てのビールはその造り方によって「ラガー」と「エール」の2種類に分けることができます。ビールを飲む方なら両方とも聞いたことがありますよね!
これら2種の違いは醸造段階における原料の発酵のさせ方にあります。
「ラガー」は下面発酵と呼ばれる、低温で長時間発酵させる方法が採用されています。その時酵母の麦汁が下に向け沈殿していくので、その見た目から下面発酵と呼ばれています。
それに対し「エール」には上面発酵が採用されています。こちらは高温で短時間発酵させる方法で、酵母の麦汁は上に浮かび上がっていきます。
下面発酵は低温であるため雑菌が繁殖しにくく、品質を保ちながらビールを大量生産できます。そのため一般的によく飲まれるビールには「ラガー」が多いということですね!
逆に上面発酵は大量生産向けではありませんが、味わいや飲みごたえがとても人気で、クラフトビールには「エール」のものが多数存在します。
覚えたいクラフトビール基本の7種類とその特徴!
ここからは「ラガー」「エール」の中でクラフトビールにはどんな種類があるのかを見ていきます。今回は「これを押さえておけばクラフトビール玄人!」と言える7種類をピックアップしていますので、是非参考にしてみてください!
さらに、理解を深めるために各ビアスタイルの中から1本ずつおすすめも紹介していきます。
1.ラガービール
多くの人が飲んだことが多いラガービールにはどんな種類があるのでしょう?
あなたが飲んだことのあるビールもあるかもしれません!
・ピルスナー (Pilsner)
世界で飲まれるビールの7割はピルスナーと言われるほどに広く浸透しているビールです。「ゴクゴク飲めてキレのあるのどごしがクセになる」というみんな大好きな飲み慣れた味わいとなっています!さっぱりとした苦味が一口また一口とビールを飲む手が止まりません。驚くことになんと日本で流通するビールの99%がピルスナーと言われています。日本の多湿な環境にキンキンに冷やしたピルスナーがピッタリマッチしているんですね!
ピルスナーウルケル(ピルスナー)
1842年に生まれたピルスナービールの元祖とも呼ばれるビールで、苦味・香り・甘みのバランスが最高です!時間は通常の3倍かかるが、濃厚な麦汁を抽出できるチェコの伝統製法「トリプルデコクション製法」を使っていたり、チェコ産の大麦、ホップ、軟水を採用していたりと、こだわりが感じられる一品です。
特徴的な透き通った黄金色を楽しむために是非グラスでお楽しみください!
https://www.amazon.co.jp/dp/B07BF9LTZ6/ref=cm_sw_r_tw_dp_MRAEA5D5FSGY0TP5SADA
2.エールビール
クラフトビールに多いエールは、最近のブームで意外と目にする機会が多いけどどんな特徴があるか知らなかった方が多いと思うので、この機会にぜひ覚えていただけるとさらにビールを楽しめます!
・ペールエール (Pale Ale)
ペールは「淡い」という意味で、ペールエールは色が薄めでホップの香りが芳醇という特徴を持っています。イギリス発祥で長く伝統的ビールとして親しまれ、やがてアメリカに渡り「アメリカンペールエール」となり世界中で人気を博しました!
ちなみにその後イギリスで発展していったペールエールを現在では「インペリアルペールエール」と呼びます。
よなよなエール(ペールエール)
クラフトビールを飲んだことがある人なら誰もが知っている、と言えるほどに日本のクラフトビール業界を代表する「ヤッホーブルーイング」の看板商品です。
ホップの中でも柑橘系の香りが特徴の「カスケード」という種類のホップを使っており、爽やかな香りと柔らかな苦味が楽しめます。香りを立たせるために飲みごろ温度は13℃ほどとなっているので、ぜひぬるめでゆったりと味わってみてください!
https://www.amazon.co.jp/dp/B0069FI26O/ref=cm_sw_r_tw_dp_RF0MXMS22QNY9C5ZEAJ9
・IPA(アイピーエー)(India Pale Ale )
上述したペールエールの一種で、かつてイギリスが植民地のインドにビールを持ち込むため、長旅にも耐えられるよう防腐効果を持つホップを大量に使用し造られたというルーツがあります。そのためペールエールよりも香り・苦味・アルコールが強く、フルーティや爽やかなど使用されるホップによって多様な味わいを持っています!
YOROKOBI
綿密な話し合いや試行錯誤を重ねることでIPA愛好家の意見やリクエストを取り入れついに完成したクラフトビールです!
Hazy IPAと呼ばれる「濁り」が特徴のIPAの派生系で、ホップの香りはそのままに苦味も優しく口当たり滑らかなビールです。初めてIPAを飲む方や、普段と少し違うビールを飲みたいという方におすすめです!
アルコール度数は7%と若干高めですが、食後にゆったりとチルな気持ちを味わえるようなフルーティさとジューシーさを兼ね備えた味に仕上げています。1杯で「逝っちゃう」くらい満足できるビールになっていますので、気になる方はぜひ試して見てください。
一般販売は11月ごろを予定していますが、makuakeで先行販売も行われますので要チェックです!
■makuake
https://www.makuake.com/project/yorokobibrewery/
■公式通販サイト
・ヴァイツェン (Weizen)
ドイツ語で白を意味するヴァイスの名の通り、白ビールとも呼ばれる濁りのあるビールです。通常ビール醸造には大麦が使用されるところを、ヴァイツェンでは小麦を50%以上も使用しており、苦味がほとんどなくバナナのような香りが感じられます!
ヴァイツェンは一般的に酵母をろ過せず瓶内発酵する「ヘーフェヴァイツェン」を指すことが多く、その他に「ドゥンケルヴァイツェン」、「ヴァイツェン・ボック」があります。
ヴァイスビア ヘーフェ
そしてヘーフェヴァイツェンの代表格といえばこちらのビールです!ヴァイスビアはドイツ語で「白いビール」という意味で、ヴァイツェンの別名でもあります。小麦を使っているため甘くフルーティな味わいになっているものの、ホップの苦味も優しく感じられるので「ちょうど良い甘さ、ちょうど良い苦さ」なビールです!
クリーミーな泡立ちに溺れてみてください。
https://www.amazon.co.jp/dp/B01GV17JG4/ref=cm_sw_r_tw_dp_HCJ24ZWMJZBFMJ50BATJ
・スタウト (Stout)
黒ビールと呼ばれることもあるだけに真っ黒な見た目が特徴で、なんと考案者はギネスビールの創始者です。ローストした麦芽によりナッツやチョコレートのような香ばしい香りが楽しめ、ぬるめで香りを立たせて飲むのがおすすめです!
乳糖を加えた「ミルクスタウト」、牡蠣エキスを加えた「オイスタースタウト」など奥が深いスタイルです。牡蠣エキスは気になりますね…!
インペリアルチョコレートスタウト
その名の通り本当にチョコレートの風味が感じられ、それがスタウト元来のローストした麦芽の香ばしさに加わり他にないような濃厚な味わいを持つビールです。しかしチョコレートだから甘いと思ったら大間違い、数あるスタウトの中でも比較的苦い方となっています。
バレンタイン限定商品なので来年こそ絶対に飲んでみたい!パッケージもおしゃれなのでバレンタインのプレゼントにももってこいですね!
https://www.amazon.co.jp/dp/B0035Z3YFU/ref=cm_sw_r_tw_dp_PJQNMY0W89637GX3G04X
・バーレーワイン (Barley Wine)
果実で造られるワインと比較して、「大麦(=バーレー)で造ったワイン」と呼ばれています。ワインに近いアルコール度数を持ち、通常のエールビールは2週間ほどで完成しますが、バーレーワインは熟成に半年以上かかります。
ワイングラスに入れてゆっくり時間をかけて飲むことで芳醇な熟成香が楽しめます!ビール好きだけでなく、ワイン愛好家にも飲んでほしいビールです。
がんこおやじのバーレィワイン
ヤッホーブルーイングに勝るとも劣らない、多種多様な国産クラフトビールを造っている「ベアードビール」のバーレーワインです。静岡県東部を流れる狩野川の透き通った水を使い、ホップも自分たちで育てるという点に強いこだわりが感じられます。
バーレーワインならではの香りを余すことなく感じられるので、初めてバーレーワインを飲む方や、普段はワインを飲むけどバーレーワインが気になっている方におすすめです!
https://item.rakuten.co.jp/nakajimaya/bbb027/
その他
・フルーツビール (Fruit Beer)
フルーツビールは結構アバウトな分類で、「ラガー」「エール」の両方が存在します。
名前の通り原材料にフルーツを使用したビールで、多様なフルーツの風味が感じられる様々な種類のビールがあります。
日本でも地域の特産フルーツを使った特徴的なクラフトビールが楽しめます。フルーツの味わいが絶妙で、「ビールの香りも感じられるしフルーツの風味も楽しめる」という贅沢なビールです!
ラドラー(フルーツビール)
甘いレモネードの風味を、ドイツのケルン地方で作られる格式高いすっきりとした味わいを持つケルシュというビールに混ぜたフルーツビールです。
瓶のサイズも容量330mlで、アルコール度数も3%と低めとなっており普通のビールは飲めないという方にも是非挑戦してほしい一品となっています!成人後の初めてのお酒や、クラフトビール初心者の一杯目にもピッタリです!
https://www.amazon.co.jp/dp/B0185BZ9YM/ref=cm_sw_r_tw_dp_P9CS1WBYS3X0S2G8EJAC
まとめ
今回は近年世界中で大流行しているクラフトビールについて、「これを読めば全てがわかる」をテーマにまとめてきました!筆者もまだクラフトビール玄人と呼ぶには程遠いので、改めて初心者目線で記事を書くのがとても楽しく、勉強になりました。
ここで紹介したビールは筆者選りすぐりのおすすめですが、世界にはまだまだたくさんの種類のクラフトビールが存在します!
奥の深いクラフトビールの世界を目一杯楽しみましょう!