ビール好きの方なら「白ビール」という名称を一度は聞いたことがあるかもしれません。
しかし、実際に「白ビール」を見たことがある人や飲んだことがある人は意外と少ないです!
「白ビールって本当は全然白くない」や「発祥国はドイツ?ベルギー?」など、噂や疑問が絶えない謎多い白ビールに迫っていきます!
白くないのにどうして白ビール?
本当は白くない白ビールについてですが、その理由を説明する前にまずは実際に見てみましょう。
いかがでしょうか。どう頑張ってみても、全く白くはありませんよね!(笑)
一体なぜこれが「白ビール」と呼ばれているのでしょうか?
その答えは歴史にあり!
この謎の答えを知るために、少しビールの歴史をさかのぼってみましょう。
白ビールが生まれる以前の19世紀ごろまでの世界のビールは色の濃い黒褐色のダークビールが主流でした。
今となっては「ビールと言えば黄金色!」というイメージがありますが、当時は「ビールは暗い褐色!」が常識だったのです。
そこで当時多くの人が努力を重ね、明るい黄金色や琥珀色のビールが開発されました。これが当時の人にとっては革命的で、ダークビールに比べたら明るいビールを「白ビール」と呼ぶようになったのです。
黒ビールはしっかり黒い
白ビールと聞いて同時に思い出されるのは、真逆の色のビールである「黒ビール」です。
少し脱線しますが、白くない白ビールに対し、黒ビールはしっかりと黒い色をしています。
白ビール以前のダークビールは黒ではなく「暗い茶色」というような黒褐色ですが、黒ビールは「真っ黒」とも言えるほどの色です!
これは醸造時に麦芽を焙煎していることが理由で、そのため黒ビールは香ばしい苦味が特徴です。黒ビールについてもっと知りたいという方はこちらの記事もぜひ読んでみてください!
白ビールの特徴とは?
そんな白ビールですが、実際にどんな味や香りがするのかということについてはあまり知られていません。
ここからは白ビールの特徴について解説していきます!
発祥国によって別物?代表的白ビール2種
白ビールについて語るためには、まず代表的な2種類の白ビールについて知る必要があります。
一般的に白ビールと呼ばれるビールは、ドイツ発祥の「ヴァイツェン」とベルギー発祥の「ベルジャンホワイト」の有名な2種類のビアスタイルです!
ドイツ・ヴァイツェンの特徴・代表銘柄
ヴァイツェンはドイツ語で「白ビール」という意味のヴァイスビア(Weißbier)と呼ばれることもあるほどの、白ビールを代表するビアスタイルです。
まずはそんなヴァイツェンについて学んでいきましょう。
小麦で作られるビール!
通常のビールは大麦の麦芽を主原料に作られますが、ヴァイツェンはそれに加え小麦麦芽が50%以上使用されています。そのため小麦特有のマイルドな味わいで、苦味がほとんどなくバナナのような香りを持つのが特徴です!
ちなみにヴァイツェンと言う名称は一般的に酵母をろ過せず瓶内発酵する「ヘーフェヴァイツェン」を指すことが多く、その他に「ドゥンケルヴァイツェン」や「ヴァイツェン・ボック」という種類があります。
・代表銘柄は"エルディンガー・ヴァイスビア"
https://www.amazon.co.jp/dp/B01GV17JG4/ref=cm_sw_r_tw_dp_PCF3RYHX4VQ097CY4W48?_encoding=UTF8&psc=1
ヴァイツェンの代表銘柄と言えば"エルディンガー・ヴァイスビア"です!エルディンガーは1886年に創業した歴史あるメーカーで、小麦を使ったビールを造る世界中のメーカーの中でもトップクラスと高い評価を受けています。
こちらのビールはヘーフェ・ヴァイツェンであり瓶内発酵となっているため、クリーミーな泡とフルーティな味わいが特徴です。
ベルギー・ベルジャンホワイトの特徴・代表銘柄
ベルジャンホワイト(Belgian White)は「ベルギーの白」という意味であり、その名の通りベルギー発祥の白ビールです。
続いてはそんなベルジャンホワイトに迫っていきます!
オレンジピールの爽やかな味わい!
ベルジャンホワイトもドイツのヴァイツェンと同様に小麦も原料となっていますが、使用されるのはヴァイツェンの場合と違い発芽していない小麦の麦芽です。
またそれに加え副原料として、オレンジピール(オレンジの皮)などのフルーツやコリアンダーシード(パクチーの種)などのハーブも使用されています。そのためヴァイツェンのようなマイルドな口当たりではなく、ベルジャンホワイトは少しスパイシーで爽やかな味わいが特徴です!
代表銘柄は"ヒューガルテン・ホワイト"
開発された当初は話題沸騰だった小麦ビールですが1960年代には若干の低迷期に陥っていました。そこでピエール・セリスという人物が小麦ビール復権のために製造を開始したのが、このベルジャンホワイトを代表する"ヒューガルテン・ホワイト"です!
ベルジャンホワイトの特徴が色濃く感じられるビールで、苦味はほとんどなくフルーティな香りと爽やかな酸味が楽しめます。
白ビールを美味しく飲むコツ!
ここまでの内容で白ビールの特徴を掴むことはできたでしょうか?
せっかくなのでこのタイミングで白ビールの旨みを余すことなく楽しむためのコツを学びましょう。
誰かに教えたくなること間違いなしの知識です!
スパイスの効いた香ばしい料理がおすすめ!
白ビールは基本的にどんな料理とも合わせることができます。
ヴァイツェンはそのマイルドな味わいから、パンケーキなどのスイーツと合わせて飲むのも人気です。
ベルジャンホワイトは少しスパイシーなテイストであるため、似た風味を持つコリアンダーなどのスパイスの効いた料理や、レモンなどの柑橘系の酸味の効いた料理と合わせても美味しいビアスタイルとなっています!
冷やし過ぎ注意!ぬるめがおすすめな理由
「ビールはしっかり冷えていた方が美味しい」というイメージが一般的ですが、実はビアスタイルによって適温は異なります。適温を決める上で重要なポイントは、「のどごしやキレが重視されるか、それとも香りが重視されるか」ということです。
白ビールはエール系のビールであり、のどごしよりも香りを楽しみたい味わいとなっています。そのため白ビールの温度は10℃以上とやや高めがおすすめです!
注ぎ方も重要!沈殿も逃さず味わう
特にヴァイツェンの場合ではビールを濾過せず瓶内で発酵させる醸造方法であるため、酵母やタンパク質が底の方に沈殿しています。これを余すことなく楽しむためには注ぎ方が重要です!
最初はグラスを傾けながらビールをグラス内壁に沿わせるようにボトルの8割ほどまで注ぎます。そして瓶の中に残っている2割には沈殿がたっぷりなので、一度軽く揺らしてから残りを注ぐと沈殿まできれいに注ぐことができます!
おすすめ白ビールを紹介!
ここからは皆さんお待ちかねのおすすめ白ビールを紹介していきます。
あなたのお気に入りもきっと見つかるはずです!
香りを楽しむという繋がりから普段と違う特別なビールも紹介しますので最後までお楽しみください!
①水曜日のネコ
https://yonasato.com/ec/product/suiyoubino_neko
クラフトビール好きなら誰もが知っている「ヤッホーブルーイング」の大人気ビール「水曜日のネコ」です。立ち昇る青リンゴのような香りや口の中に広がるオレンジピールの香りが爽やかなベルジャンホワイトとなっています!
2012年発売以来多くのファンの心を掴んで離さない、間違いない白ビールです!
②ビアへるん ヴァイツェン
http://shimanebeerh.free.makeshop.jp/shopdetail/000000000006/sample1/page1/recommend/
ヴァイツェンの特徴である小麦麦芽のまろやかな味わいが特に感じられるビールです。苦味が少ないため「ビールの苦味が少し苦手」という方にも自信を持っておすすめできます!
国内最大級のビアコンテストであるIBCで小麦ビールカテゴリチャンピオンに輝いた高い評価を受けるヴァイツェンとなっています!
番外編・ビールの香りを楽しむならIPAもおすすめ!
ヴァイツェンやベルジャンホワイトを飲んでみて「冷えたビールもいいけど、ぬるめで香りを楽しむのもいいね!」と感じた方にぜひおすすめしたいのがIPAというビアスタイルです!
IPA(アイピーエー)は「India Pale Ale」の略で、かつてイギリスがアメリカにビールを運ぶ際に、防腐作用を持つホップを大量に使用して造ったことで誕生したビールです。
通常のペールエールよりもさらに香りと苦味が強く、芳醇な味わいが楽しめます!
今回紹介するのはHazy IPAと呼ばれる、ホップの香りはそのままに苦味も優しく口当たり滑らかなIPAの派生系です。そのため初めてIPAを飲む方や、普段と少し違うビールを飲みたいという方におすすめです!
アルコール度数は7%と若干高めですが、1杯で「逝っちゃう」くらい満足できるビールをコンセプトに、食後にゆったりとチルな気持ちを味わえるフルーティさとジューシーさを兼ね備えた味に仕上げています。
一般販売は11月ごろを予定していますが、makuakeで先行販売も行われますので要チェックです!
■makuake
https://www.makuake.com/project/yorokobibrewery/
■公式通販サイト
まとめ
今回は白ビールについて様々な情報を通して学んできました。初めは「全然白くないのになぜ白ビールなんだろう」と疑問だった方も、今では「白ビールを飲んでみたくてたまらない!」となっていたら嬉しいです!
また次の記事でお会いしましょう!